2月30日

役立つかもしれない情報をノートとして残しておく。

オンラインカンファレンスを運営した。

普段からオンラインでミーティングしてるんだし、オンラインカンファレンスなんてちょっと参加者が増えただけで楽勝でしょ、と思ってたら大間違いだった、という話。オンラインカンファレンスの運営を通して、なぜオンラインカンファレンスが難しいかを学んだので、メモとしてまとめておく。

何をどこまで準備すればいいのかが直感的でない

普通のカンファレンスなら、部屋の予約→プロジェクターやオーディオ機器の準備、とやることが明確。オンラインカンファレスの場合は、代わりにZoom webinarなどを予約して完了…では終わらない。運営委員はwebinarの機能について一通り熟知しておかないといけないし、その上でチェアーのために詳細な手順書を用意しないといけない。チェアーが全員webinarに慣れ親しんでいるとは限らない。しかし、手順書を詳細にすればするほど、分量が多くなって読んでもらえない(カンファレンスのチェアーをやるような人々は、大抵偉くて忙しい人々)。よって、運営委員はセッション中にチェアーが困ったらすぐに助けられるように準備しておかなければならない。

人によって見え方が違う

「ホスト(コホスト)」「パネリスト」「聴衆」など、役割によって使える機能・使えない機能が違う。よって、自分の立場で確認して問題なくても、いざ本番になったら聴衆から苦情殺到…ということもあり得る。

予想外は必ず起きる

事前に一通り確認しても、いざ本番になると予想外の問題が必ず起きる。例えば、今回実際に起きたのは

  • コホストがいつの間にかホストになってて、その人が退出しようとして誤ってセッションを終了する
  • 録画して休憩中にいったんミーティングを終了してその間にmp4に変換しようと思ったら予想外に時間がかかり、時間通りに次のセッションを始められなくなる
  • なぜかウェビナーが無効になってる(たぶん「なぜか」じゃなくて理由があるのだろうけど、オンラインサービスは時々直感的でない挙動をする)

などなど。たぶん、こんなのは経験した人が世の中に無限にいるのだろうけど、かといって人の経験談をネットからかき集めてみても、自分のカンファレンスのセッティングでどの問題が実際起きうるかなんて区別がつかない。(運営委員にオンラインカンファレンス経験が豊富な人がいない限り)なので、こういう問題を確実に防ぐには、運営委員に加えてチェアー役と発表者役と聴衆役を呼んで1~2セッションをフルでドライランするぐらいしないといけないのだと思う。

いくら準備したところで、予想外は必ず起きる

参加者が突然接続できなくなって急遽順番入れ替えとか、Zoomのサーバーが落ちたとか、そういう突発的な問題はいくらリハーサルしたところで防ぎようがない。なので最後は臨機応変に対応するしかない。なので、恐らくオンラインの方がストレスは大きい。

 

(状況が変化した時に運営委員→参加者全体に随時連絡できるようにしておいた方が良いのかも。参加者数が500人以上とかいると、毎回メールを一斉送信するのも大変だし時間がかかるし、必ずしも全員が必要としているわけでもないので。情報発信するのにツイッターとかを用意しておいて、なんかあったらここ見てって言っておくと良い?)

 


あと、気を付けるべきと思ったこと。時差があって見れない人のために録画をアップロードするカンファレンスが結構あるけど、録画の場合

  • 発表だけでなくて質疑応答まで録画する場合、本来公開する意図のないバックアップスライドまで映ってしまったり、場合によっては不規則発言まで記録されてしまう。
  • 準備に手間取っているところまで録画してしまうと、思わぬもの(メールの内容とか)が映り込む可能性がある。
  • そもそも、顔が録画されるのを嫌がる人もいる
  • これらを全部パブリックにしてしまうと、後から問題になる可能性がある

正直言って、今回自分が関わったカンファレンスは、この辺をちゃんと詰めないままあまりに何も考えずに録画をパブリックにしてしまっていた気がする。良くないですね。本来、ここも運営委員の中でよく議論しておくべきですね。


今回、最大3セッションがパラレルに走るカンファレンスを運営委員を5人で回したけど、5人じゃ到底足りないというのが印象。各セッションに張り付く運営委員が最低2人、バックアップ要員がセッション数分は必要。当然、全体を統括する運営委員長はこの中に入ってはいけない(何かあった時に動けないと困るので)。

 

というわけで、いろいろ大変だったけど、得るものはいろいろあった1週間でした。

 

追記:これだけはどうしても言いたい。いくらオンライン開催でも、(相当やり方が固まったカンファレンスでない限り)運営委員は同じタイムゾーン(できれば、必要に応じて対面で議論できる同じ所属)から選ぶべき!今回、自分だけタイムゾーンが違って、夜遅くまで起きてなきゃいけないし、直接話せないから常にSkypeチャットの議論追ってなきゃいけないしで、とっても大変でした。