2月30日

役立つかもしれない情報をノートとして残しておく。

久しぶりに国際会議に現地参加した話。

6月28日から7月2日まで、ギリシャ・イオアニナで開催された国際会議に参加した。対面で参加した国際会議は、2019年10月以来2年半ぶりとなった。ここでは、その対面国際会議に久々に参加して思ったことを書き留めておく。とかいうと、「やはり対面だと有意義な議論ができる」とか、「それでもまだCOVIDのリスクは大きい」とか、そういう話が期待されますか?はい、そういう国際会議そのものに関する内容は一切ありません。

その一言からすべてが始まった

6月27日(月)。久々の海外出張で少し緊張しつつ、荷物片手に羽田空港に到着した。この日は、イスタンブールアテネ経由でイオアニナに向かう予定だ。日本から海外に向かうのは、2020年1月以来である。以前は海外に住んでいたこともあり、国際線の利用頻度は高い方で慣れていたはずではあるが、今回はより慎重になろうと心に決めていた(なお、この決意は結局まったく無意味なものとなる)。

トルコ航空のデスクでスーツケースを預ける。担当職員の方が、私のパスポート情報から予約情報を見つけ出し、荷物タグと航空券を発券してくださる。この時、

 

ギリシャの通関ルールのため、アテネでいったん荷物の引き上げが必要ですので、引き上げて税関通過後に、エーゲ航空のデスクで再預けしてください。」

 

と案内してくださった。...ん?いま、ちょっとだけ気になることがあった。その職員の方、いま印刷された荷物タグを見て少し怪訝な顔をして、手元の一覧表?のようなものと見比べた後、近くにいた上司のような方に「ギリシャってアメリカと同じルールですよね?」と確認していた?とはいえこの時はさほど気に留めなかった。まぁ、念のため確認したかったのかもしれないしね。しかし、それが後で大惨事を引き起こすことになるとは、この時はまだ思ってもいなかった。

 

事件発生

その後、予定通りにイスタンブール行きの便に搭乗、特に問題なくイスタンブール経由でアテネまでたどりついた。イスタンブールでは、間違えて国際便乗り継ぎではなく入国レーンにしばらく並んでしまい、なんかおかしくないか?と途中で気づいてあぶねーあぶねーと思いながら正しいレーンに並びなおすという小さなハプニングがあったのであるが、のちにそんなのは本当にどうでもいいハプニングだったと思い知らされることになる。

アテネには、6月28日(火)の9:05到着で10:00発。乗り継ぎ時間55分、搭乗開始時刻までは25分しかない。少しでも遅れたらやばい。しかし、アテネ到着は遅れることもなく定刻通りで、アテネ空港はさほど広くないことも事前に調べてあったので、問題が起きなければ十分に乗り換えられると考えていた。...だが、問題は起きるのである。

バゲージクレームで荷物を待っていたが、待てど暮らせど荷物は一向に出てこない。荷物が出始めてから30分が経過し、時刻は9:45。既に乗継便の搭乗が始まっており、出発時刻が15分後に迫っている。この時、おそらく似たような境遇にいたのであろう日本人の女性が、私の近くで焦った様子で地上スタッフの人にチケットを見せ、出発時刻が迫っていることをアピールされていた。地上スタッフは、「今すぐにゲートに行け!」のようなことを言っており、その方は荷物を待たずにゲートに向かっていた。

自分も同じ境遇にある。さぁどうする?もしゲートに向かうなら、今すぐ向かうしかない。考える時間はない。私は、なんとなく、その地上スタッフがシェンゲン外からシェンゲン内に入域する際に通関が必要だと理解していなかったのではないか?と疑った。根拠はなかった。しかし、私は確かに羽田で「アテネで一度荷物の引き上げが必要」と言われたのである。このまま荷物を無視してイオアニナに向かったら、荷物がアテネ空港に放置されてしまうことになる。きっと誰も責任もってその荷物を守ってなんかくれないだろう。飛行機は最悪お金を払ってでも変更できる。そう思い、自分は荷物を優先した。これが結果的に、大きな判断ミスだった。

 

結局、自分の荷物は出てこなかった。この時点で既に10:00を過ぎており、予定していた便には乗れないことが確定していた。ただ、夕方に別の便があることを知っていたし、まずは荷物について解決し、次に便の振り替えをして、時間があればアテネ観光でもしてやるか~ぐらいに考えていた。この時のお前、本当に能天気だったな。この後、以下のように様々なデスクをたらい回しにされることになる。ちょうどトルコ航空からエーゲ航空に引き渡されるタイミングで事件が発生したため、話が非常にややこしいことになったのだ。

  • バゲージクレーム内のサービスデスク「ひとまず状況を確認するためにトルコ航空のデスクに行きなさい。」
  • トルコ航空デスク「お前のチケットはイオアニナ行きじゃないか。なんでアテネで荷物を待とうと思ったんだ?」...は?羽田で聞いた話と違う。彼曰く、
    • 荷物タグにはイオアニナまで行くと書いてある
    • 羽田の職員がそういったならまだ荷物がアテネにあるかもしれない
    • とにかく、振替便のことと合わせてエーゲ航空に聞いてくれ
  • エーゲ航空デスク「お前のチケットはイオアニナ行きじゃないか。なんでアテネで荷物を待とうと思ったんだ?」...は?やっぱり羽田で聞いた話と違う!彼女曰く、
    • イオアニナ行きの便は翌日まですべて満席で振り替えられない。バスでイオアニナに行くか、あるいはイオアニナに比較的近い別の空港まで行って、そこからバスで行くというオプションはある。
    • まずは荷物のことを整理した方が良い。まずインフォメーションセンターに行って事情を話して、バゲージクレームに入れてもらったら荷物運搬サービスのデスクに行きなさい。
  • 荷物運搬サービスデスク「 荷物タグはイオアニナまでバゲージスルーで行くことになっている。荷物は既にイオアニナに向かっているだろう(実はこれは間違いだったと後で知ることになる)。早くイオアニナに行きなさい!」

最初はだれが正しいことを言っているのかわからなかったが、とりあえず"Why did you wait for your baggage?"と何度も何度も言われたので、どうやらあの羽田のトルコ航空職員の案内が嘘だったのではないかと思い始めた。

いずれにしても、非常にまずいことになった。振替便がなければ、空路でイオアニナには行けない。幸い、国際会議での発表はまだ3日後なので時間がある。しかし、荷物が手元にないので着替えなどもない。アテネに無駄に2日間いても仕方ない。いろいろな情報をインプットに、脳内のしょぼいCPUをぶん回してニューラルネットワークをトレーニングした結果、バスでイオアニナに向かうというのが最善解だと判断した。

 

ローカル路線バス乗り継ぎの旅...どころじゃない

しかし、荷物を失った人間にとって、空港は電源もWiFiもあり、治安も比較的良いシェルター空港の外はどこに敵が潜んでいるかわからないサバンナである。裸同然で焦って空港の外に出れば、最悪死ぬ。ここで一度冷静になって、またも脳内のしょぼいCPUをぶん回して死ぬ状況をシミュレートし、そこから生き延びるためには何が必要かを考えることにした。

  • 情報へのアクセス手段がなくなったら死ぬ。 この出張には、日本で購入した海外格安SIMを持参していた。この国際会議の後ジュネーブに向かい、某C研究所にて1か月ほど研究活動をする予定であったためである。国際会議中はきっとスケジュールがきっちり決まっているし使うこともそんなにないだろうと思い、ジュネーブについてからactivateしようと思っていた。が、いまこの状況では、今すぐここでactivateするしかない。海外格安SIMの利用は初めてだったのでかなり不安が大きかった。が、説明書通りに設定し、無事モバイル接続できた。よかった。このSIMは2年前に買ったものだったし、問題なくactivateできる自信は100%ではなかった。いまこの状況で、もしモバイル接続できなかったら相当やばかった。本当によかった。ここでの安心感はでかい。
  • スマホの充電が切れたら死ぬ。モバイル接続できたから安心というわけではない。スマホの充電は切れるのである。スマホの充電器は日本のAタイプなので、Aタイプ→Cタイプの変換アダプタが必要となる。1つぐらい手荷物に入れておくべきだったのだが、不覚にも3個ぜんぶの変換アダプタを預け荷物に入れてしまっていた。しかし、ここは国際空港である。Aタイプ→Cタイプ変換アダプタはなくとも、ユニバーサルタイプの変換アダプタを売っている可能性は高い。いまここで手に入れておかなければ、街中で手に入れられる確率はぐっと低くなるかもしれない。...しかし、残念ながらユニバーサルタイプの変換アダプタは売っていなかった(たぶん、売り切れていた)。だが、CタイプのUSB充電器があった。これがあれば、とりあえずスマホの充電はできる。よかった。

これで、街中に放り出されても死なない準備が整った。バスセンターまで路線バスで1時間。実は、この時点では、行ったところで、今日のバスがいつあるのか、バスがあっても空席があるのか、まったくよくわかっていなかった。ウェブで調べようとしたのだが、よそ者が理解できるような親切設計にはなっていなかったのだ。だが、空港にいても何も起こらないことは確定していたので、一か八かでバスセンターに行くことにした。

そして、13:00を回った頃にたどり着いたのは

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...なんともまぁ、スラム街のようなところにある小汚い(失礼)バスセンターだった。とにかくチケットを買わねば...と思ったが、チケットオフィスが見当たらない。15分ほどさまよい、焦りが募ってきたころにようやくチケットオフィスを見つけることができた。怪しげな売店が並んでいる中の1つがチケットオフィスだった。めちゃくちゃわかりにくいぞ。15:30発にイオアニナ行きがあり、チケット購入成功。勝った!!!これは勝ち確である。間違いない。とにかく今日中にイオアニナにたどり着けることが確定した。

バスまで約2時間。イオアニナについたら、まず空港に行って荷物を回収しよう、などと戦略を練ってみたり、かっきー(乃木坂46の賀喜遥香さん)が掲載された東京カレンダー*1を読んだりしていた(たまたま出発直前に見つけて機内で読もうと思っていたため、預け荷物ではなく手荷物に入れていた)。その後、空いているコンセントを見つけたため、後半1時間はスマホを充電した。ここで、ただただ目の前にあった時計をじっと見つめるだけで1時間をやり過ごすという技を身につけた。もう、今後の人生で空き時間ができたとき、やることがなくて困るということはないだろう。時計をじっと見つめるだけで時間をつぶすことができるのだから。

 

15:30、バスは無事イオアニナに向けて出発した。よし、これでとにかくイオアニナにはたどり着ける!!!ちなみに、経路はエーゲ海沿いで非常に風光明媚なところでした。

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(この辺、若干楽しむ余裕が生まれていた。もっとも、景色を見ること以外やることがなかった。)

空路であれば1時間のところ、5時間以上をかけてついにイオアニナに到着。経路的に空港近くを通るので、もし降りれたら、そこで降りて荷物の回収に行ってしまおうと考えていた。...が。

空港の写真は↓こんな感じ。

photoioannina.blogspot.com

え、なになにこの空港、あまりにしょぼくない???生まれて初めて見るしょぼさの空港である。なんというか、ど田舎出身の私の地元駅よりもしょぼい。電気もついている気配がないし人気もない。こんな人気のないところで降ろされて、もし空港が閉まっていたら、市内までの移動手段がなくなって完全に詰む。やばい。この日は諦めて、ひとまずホテルに向かうことにした。


ついに荷物回収...?

翌日、6月29日(水)。やっぱりウェブ上に情報が少なく、空港の雰囲気がいまいちつかめなかったが、しかしあれだけしょぼい空港である。8時とかに行っても閉まってるんでしょ。というわけで、9時を狙って空港に向かった。正解だった。窓口は9時からであった。よし、勝ち確!!!

...そんな希望は、

 

"There is no luggage here."

 

という、デスクスタッフの一言によって完全に打ち砕かれた。まじかよ。おい、アテネの空港の人、イオアニナにいけばあるって言ってたじゃんか。

ここでのやりとりは、

  • 荷物はまだアテネにあるかも。何かの荷物が次の便で到着するというレコードがある。(→結局、これは私の荷物ではなかった)
  • とにかく、まずはロストバゲージのクレームをしなさい。

の2点。ないものはないで仕方ないので、荷物の引き取りはいったんあきらめることにした。

しかし。生活に必要な物品がない。国際会議をサボって市内で買い物しようかとも考えたが、ど田舎の小さい街で、ググってもショッピングモールのような場所がない。一人で頑張っても、時間だけ浪費して何も得られない可能性がある。国際会議会場の方が情報収集できる。まずは会場にいって、以下2点を遂行することにした。

  • 日本人参加者を見つけてAタイプ→Cタイプ変換アダプタを借りる。(PCの充電に必要)
  • 地元に詳しそうな人を見つけて、買い物に適した場所を聞く。

これが好判断だった。すぐに日本人を見つけることができ、変換アダプタを借りて、バッテリーが切れかけたPCの充電をすることができた(本当にありがとうございますありがとうございます)。また、国際会議の裏方役の秘書さんがおり、事情を説明したところ街中で買い物できそうな店の名前を聞けた。おかげで、街中で衣服を買い、3日間着続けたTシャツを脱ぐことができた。あぁ、文明!一人で街をさまよっていたら、死んでいた可能性がある。

この日、トルコ航空ロストバゲージのクレームをしたところ、

We’d like to provide assistance, however in this instance and in accordance with transportation rules, the final carrier stated on your ticket is responsible for your delayed/lost/damaged/missing baggage.Please contact Aegean Airlines that carried you to your final destination as soon as possible.

We hope you’re able to resolve this situation. 

という連れない返信だけが返ってきた。こういうときだけは返信が早い。こいつら、絶対に手元にある情報で荷物の現在位置とか調べずに脊髄反射で返信してるよな???

ともかく、次にエーゲ航空ロストバゲージのクレームをしようとしたのだが、これがよくわからない。荷物に問題があったときには、登録した携帯番号にSMSが届く、とあるが、そんなものは届いていない。よくわからないので、もういっそ空港で問い合わせることにした。


空港での闘い、再び

翌日、6月30日(木)も、朝に空港に向かった。私は知っている、空港は9時からしか空いていない。慣れた足取り(?)でエーゲ航空デスクに出向き、

という2点を説明した。

ここでエーゲ航空の職員さんに説明されてようやく理解したのだが、私がエーゲ航空の便に乗らず、バスを使った時点で、エーゲ航空は私の荷物を運ばなければならない責任はなくなる。おそらく、私が10:00発の搭乗予定の便までにセキュリティーを通過しなかったため、荷物は飛行機から降ろされ、現在もアテネ空港に留め置かれている可能性が高い。状況を整理すると、

  • トルコ航空は、アテネまで荷物を運んだので、責任を果たした。
  • エーゲ航空は、搭乗していない客の荷物を運ばなければならない義務はない。
  • 結局、私が勝手に荷物を空港に放置してバス移動したのと等価な状況である。

ということである。したがって、自分でアテネ空港のlost and foundに問い合わるというのが正しい。ということが分かった。状況がはっきりしただけでも、タクシー代を払って空港に来た価値はあったが、荷物回収の可能性は確実に遠のいた。空港のlost and foundがまともに対応してくれるとはあまり思えない。


結局、アテネ空港でどうするのが正しかったのか

エーゲ航空のウェブサイトに、以下のページがある。

https://en.aegeanair.com/travel-information/at-the-airport/connecting-passengers/

シェンゲンエリア外からエリア内にギリシャ経由で入域する時には、アテネ空港で税関を通過する必要があるとされている。これは羽田でのトルコ航空職員の案内と一致する。しかし、IMPORTANT NOTICEの部分に、以下のようにある。

There are specific customs restrictions for passengers entering Greece from any country outside the Schengen Zone (Extra Schengen), Switzerland, Liechtenstein, Iceland and Norway. Apart from the Athens Airport, other airports in Greece that have customs control are: Thessaloniki, Heraklion, Chania, Corfu and Rhodes. Customs control will be available temporarily (26 April 2022 until 30 October 2022) also at Santorini, Mykonos, Ioannina(exception applies to flight OA160), Samos, Kavala, Kos,Chios, Mytilene, Zakynthos and Skiathos airports.

4月26日から10月30日までは、イオアニナでも税関をやっているとのことである。さらに、ここには明記されていないのだが、リーフレット

https://en.aegeanair.com/-/media/files/travel-info/entypo_connecting-passenger_20x10cm-web.jpg

のIMPORTANT NOTEを見ると、

If your final destination is any of these airports, you can collect your baggage and clear through Customs, there.

とはっきりと書かれている。つまり、今回の場合はイオアニナで税関を通過すればよく、したがってアテネで荷物を待っていても出てこないのは当然だったということでほぼ確定である。要するに、あの羽田のトルコ航空職員が嘘こいたために、こんなひどい状況に落ち込んでしまったのである。しかも、口頭でのやり取りだったため、証拠もない。とりあえず、トルコ航空日本支社には、"確認"のメールを入れた(あくまで確認ですよ、確認...本当のことが知りたいだけですからね?)。


突然の連絡

この時点(6月30日(水)の時点)で、荷物の回収は95%以上諦めていた。国際空港での持ち主不明荷物など、日々大量に生成されていると思われる。その中の1個を、1人の顧客のために探し出してくれるサービスなど、期待できるわけがない。そこまで重要なものを失ったわけではないし*2、既にイオアニナ市内で買い物をし、今回の出張をやり過ごすのに最低限必要なものは手に入れた。

よく見ると、7月3日(日)のジュネーブへの移動時、アテネで3時間の接続時間がある。ここで回収を試みて、ダメだったら諦めようとほぼ心に決めていた。

 

7月2日(金)の夜。この日はエアコンに晒された状態で5時間休憩なしぶっ通しのパラレルセッションに出ており、若干体調が悪くてホテルに帰着後ベッドで寝ていたら、突然電話が鳴った。なぜ電話?海外格安SIMだし、使いだしてしばらくすると、販売会社(本社はイギリス)から宣伝の電話でもかかってくるのだろうか、と思いつつスマホを見てみると、+30から始まるギリシャの電話番号である。恐る恐る出てみるとイオアニナ空港からで、

 

"Your baggage was arrived."

 

...な、な、なんと!!!これには思わず叫んでしまった。一方で、ここまで散々期待を裏切られたのを忘れたのか、まだ勝ち確ではないぞ、と思う自分もいた。まだ、他人の荷物の誤認という可能性がある。この時既に、窓口閉鎖時刻に近かったので、翌日7月2日(土)に空港に行くことにした。

翌日。ホテルの近くでタクシーを捕まえ、9:00に空港に着いた。もう3回目である。慣れたものである。慣れたくなかったが。なぜ、国際会議参加期間4日中、3回も空港に通っているのだろう。

カウンターにつくと、そこにあったのは

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これ。あった、本当にあった!!!今度こそ本当に勝った!!!

 

なぜ、エーゲ航空が突然荷物をイオアニナまで運んでくれたのかはわからない。もしかするとそういうシステムだったのかもしれないし、もしかすると前々日ぐらいに対応してくれたイオアニナ空港のベテラン職員さんが、気を利かせてアテネ空港に連絡してくれたのかもしれない。いずれにしても、エーゲ航空には莫大なる感謝の念が生まれた。(なお一方でトルコ航空には(以下自粛))

結局、国際会議最終日に、ようやく一連の事件は収束したのであった。(本当に、過去一研究発表に集中できない国際会議だった...。)


まとめ

今回の事件の発端は、羽田のトルコ航空職員が誤った情報を伝えたせいで、アテネ空港で私が出てくるはずのない荷物をバゲージクレームで永遠に待ってしまったことにある。明らかにトルコ航空に非があるが、証明のしようがないため、余分にかかった費用はすべて私が負担せざるを得ない。

  • アテネ空港→イオアニナのバス代 約50ユーロ
  • イオアニナで購入した衣類その他必需品 約80ユーロ
  • イオアニナ空港まで往復した際のタクシー代 約90ユーロ

合計、約220ユーロ。トルコ航空には苦情を入れたので、誠実な返事をもらえることを期待したい*3

今回の一件で200ユーロかけて学んだのは、

  • 航空会社職員のいうことを鵜呑みにしてはいけない。少しでも不安げにしていたら、徹底的に突いて本当の情報を引き出す。
  • 体は荷物に優先する。体さえ目的地に到着していれば、航空会社は目的地まで荷物を運搬する責任を負うので、ちゃんとdelay baggageと扱われて目的地に届く可能性が高い。とにかく、目的地に行け!(もっとも、今回の場合は「荷物を待たずに乗り継ぎ便に乗る」が大正解だったのだが)
  • 少しでも不安に思ったらその辺のスタッフに尋ねる。今回の場合、バゲージクレームで地上スタッフに尋ねていた日本人を見かけたときが、最大のターニングポイントだった。同じようにそのスタッフに聞いていれば、恐らく乗継便に乗るという選択をして、イオアニナに予定通りについて、さらに荷物も受領できたわけである。

まぁ、これは高い授業料だったと思って、今後は気を付けよう。あと、もしこれを見ている航空会社職員の方がいたら(いないと思うけど)、あなたの思い込みによる誤った案内が、客にとってとんでもない結果を生む可能性があるということは覚えておいていただきたい。たとえば入社テストだったら、確信度90%の答えがあったら、10%は自信がなくとも取りあえずそれを書いておけば正解になるかもしれないし、少なくとも空欄にするよりはマシだろう。だが、そういうペーパー試験のノリで客の案内をされたらたまったもんじゃないということは主張したい。

 

きっと、自分なんかよりもはるかに旅慣れた人からしたら、こんなことそれなりにあるよとか、それはそもそも事前準備不足調査不足が原因でしょ、ということなのかもしれませんが、ひとまず自分の中では過去一で面倒だった海外出張中の事件だったので、ここに文章としてまとめることで、ネタとして昇華しようと思い立ったのでした。

*1:

https://tokyo-calendar.jp/article/23790

*2:なお、預け荷物の中で最も高価だったのは

https://www.nogizaka46.com/s/n46/news/detail/65469?ima=2606

 これの「完全生産限定盤“コンプリートBOX”」である。国際会議参加後のジュネーブ滞在中、土日にあまり外を出歩きたくないし...ということで持ち込もうとしていたものだった。この記事を書いている時点で、まだほとんど見ていない。

*3:といいつつ、所詮一職員が起こした一個人に対する事故について、大企業が企業として誠実に対応するなんて、まったく期待はしていないけれど